スプレッドシートにまとめてもらった内容を、会議で読み上げる。数字や進み具合を確認して、足りないところがあることも分かる。
では、その足りない部分をどうするか。そこまで話しても、具体的な案がなかなか出てこない。結局、「じゃあ、考えておいて」という形で終わってしまう。
私も、そんな会議に時間を使った経験があります。振り返ると、何のために集まったのかを忘れ、意味のない時間を過ごしてしまっていたと思います。
会社経営を通算20年経験してきた和泉利明です。今日は、その経験から、会議で確認したことを、次の仕事へどうつなげるかを考えてみたいと思います。
目次
読み上げているうちに、会議の目的が抜けていた
資料を作ってもらい、その内容を確認する。そこに、必要な仕事はあります。数字が間違っていないか、報告から抜けていることはないか。会社の状況を知るために、確かめたいこともありますよね。
ただ、私が経験したのは、その確認で話が終わってしまう会議でした。足りないところが見つかっても、そこをどう変えるかという話が進まない。本来の目的を忘れ、用意されたものを順番に読み上げる時間になっていたのです。
スプレッドシートに問題があるわけではありません。同じ情報を見ながら話せるのは便利です。私が今、見直したいのは、その資料を使って何を話し、どこまで決めるつもりだったかというところです。
例えば、営業の数字を確認する会議なら、数字を知ることで終えるのか、足りない部分を補うために次の行動を決めるのか。ここが曖昧だと、資料の説明が終わったところで、会議も終わりやすくなります。
確認したことと、次に何をするかが決まったことは、分けて見ておきたいです。参加した人が状況を理解する時間も必要ですが、改善を考える会議なら、その先に進む時間も取っておく必要がありました。
「どうする?」の前に、どこで止まっているかを聞く
足りないことが分かったら、改善案を出してほしい。そう考えるのは自然だと思います。ただ、数字を確認した直後に、よい案がすぐ出てくるとは限らないのですね。
何が起きているのか、まだ分かっていないかもしれません。本人なりに試したことはあるけれど、どこがうまくいかなかったのかを話せていない場合もあります。
今、同じ場面になったら、私は案を求める前に、どの仕事が、どこで止まっているのかを聞きたいです。足りないという結果だけで話さず、そこまでの仕事を一緒に見てみる。その方が、次に考えることを絞れます。
例えば、営業の契約が目標に届いていないとします。お客様からの問い合わせ自体が少ないのか、問い合わせはあるのに案内へ進まないのか、案内したあとに話が止まるのか。それぞれ、確かめる仕事は違います。
案内へ進んでいないなら、問い合わせを受けたあと、どんなやり取りをしたのかを聞く。連絡がつかなかったのか、条件が合わなかったのか、こちらからの返事が遅れたのか。ここで原因を決めつけず、分かっていることを出してもらいます。
私も、営業成績を見るときは、売上に加えて案内や追客などの過程を見てきました。会議でも、その見方を使いたいです。表にある数字の先で、どんな仕事が行われていたかを聞く。そこまで話せれば、「もっと頑張ろう」で終わらずに済みます。
考えてもらうなら、何を考えるかまで一緒に決める
会議の場だけでは、分からないこともあります。担当者が確認してからでなければ話せないことや、別の人へ聞く必要があることもあると思います。
持ち帰ること自体が悪いとは思っていません。私が変えたいのは、「考えておいて」という言葉で、次の仕事まで渡したつもりにならないことです。
持ち帰ってもらうなら、何を確かめ、何を考えてきてほしいのかまで合わせておく。
例えば、先の営業の話なら、案内へ進まなかったやり取りを確認してもらう。お客様がどこで迷っていたのか、どんな対応をしたのか、そのあとに何が起きたのかを見てもらいます。
そのうえで、次に変えてみる対応を考える。連絡する時間なのか、条件の聞き方なのか、提案する物件の選び方なのか。最初から全部を変える案を求めると、何に手をつけるかが決まりにくくなります。
確認する人と、その内容を見て判断する人も合わせます。誰が調べて、いつ話すのか。調べた結果、案を出せそうなら、理由も添えて持ってきてもらう。まだ分からないなら、何が分からないのかを話してもらう。
ここまで決まれば、持ち帰った人も、次にすることをイメージしやすくなります。私も、案が出てこないという結果だけで見るのではなく、考えるために必要な情報や時間を渡せているかを確かめたいです。
出てきた案は、理由と一緒に聞いてみる
幹部や担当者から案が出てきたら、まず、なぜそう考えたかを聞く。経験のある社長には別のやり方が浮かぶかもしれませんが、相手も、こちらが知らない事情を見ていることがあります。
例えば、お客様へ連絡する時間を変えたいという案なら、今はどんなタイミングで連絡しているのか、何を見てその時間がよいと思ったのかを聞きます。理由が分かれば、その案を試す意味も考えられます。
案が自分の考えと違っても、理由を聞くところから始めたいです。そのうえで、気になる点や、試す前に確かめてほしいことを伝える。社長の答えだけを渡して終わると、本人がどう考えたかは見えないままになります。
私が幹部との壁打ちで大事にしたいのも、こうしたやり取りです。案を出してもらい、その考えを聞き、必要なら一緒に考え直す。会議も、判断の理由を共有する機会にしたいと思っています。
試すと決めたら、担当する人、変える仕事、確かめる時期を合わせます。ほかの人の協力が必要なら、そこも話しておく。本人だけで進められる範囲を超えているのに、任せたからと待っていても進みません。
記録に残すのは、決まった案と担当だけではありません。なぜそれを試すのか、何が変わったら続けるのかも、短く添えておきたいです。次に集まったとき、その理由をもとに振り返れるからです。
次の会議では、試したあとに何が起きたかを聞く
次に集まったときも、同じ表を読み上げるだけだったら、前回の話とのつながりが薄くなってしまいます。決めた対応を試したのか。試してみて、お客様の反応や仕事の進み方はどうだったのか。そこから聞きたいです。
数字がすぐ変わらなくても、分かることはあります。想定していた時間には対応できなかった。お客様の希望を聞いたら、別の条件が気になっていた。そうしたことも、次の判断の材料になります。
うまくいかなかった案を、そのまま続ける必要はありません。やり方を変えるのか、確かめることを足すのか、いったん止めるのか。前回の仕事を見てから、次にすることを決めます。
前回の会議のあと、実際に何をして、何が分かったのか。
私は、ここまで聞ける会議にしたいです。新しい案を出すことだけを求めず、試したことから考えを進める。そのためにも、最初から大きな改善策を求めすぎず、確かめられる仕事に分けておきたいと思います。
ただし、すべての仕事を次の定例会議まで止める必要はありません。担当の幹部が判断してよいことなら、その場で進めてもらう。別の部署や会社全体に関わる判断なら、必要な人と話す。会議を待つことで仕事が止まっていないかも見ておきたいです。
読み上げる時間から、次の仕事を考える時間へ
振り返ると、私がもったいなかったと思うのは、人が集まり、資料も用意されているのに、その先の話が進まなかったことです。足りない部分を確認して、「考えておいて」で終わる。そこに時間を使ってしまった経験を、今の会議の見方に生かしたいと思っています。
会議を始める前に、この数字を見て、今日は何を決めたいのかを合わせます。読むだけで確認できる部分は先に共有し、会議では、分からないところや判断に迷うところに時間を使いたいです。
もちろん、資料を読めば全員が同じ理解になるとは限りません。数字の意味が分からない人もいれば、その背景を知っている人もいます。必要な説明はしたうえで、確認から次の話へ進める。その区切りを意識したいのです。
次の会議で、議題を一つだけ選ぶとしたら、足りないと分かった部分をどう扱うか。そこで決められなければ、誰が何を確認し、いつ考えを持ち寄るか。最後に、その人の言葉で次の仕事を話してもらう。
そうして終えられたら、少なくとも「考えておいて」の中身は、以前より具体的になります。あの会議で足りなかったのは、次の行動まで決めて終えることだったと思います。
和泉に相談
数字は集めているけれど、会議が報告だけで終わってしまう。改善案を求めても、次の仕事が決まらない。
そうしたときは、今使っている資料と会議で話していることを見ながら、何を確かめ、誰と何を決めるかを一緒に考えます。ご相談は、以下のお問い合わせフォームからお寄せください。
