AIにSUUMO入稿を任せて、楽になった。それでも、人に残る仕事がある

ITが進んでいるのに、事務作業は増えていく。

不動産の仕事をしていて、私はこの負担を強く感じてきました。

ネットを使って仕事をする場面が増えれば、入力する情報も、確認することも増えていく。例えば、SUUMOへの入稿です。物件情報の項目を埋め、写真を用意し、説明文を入れる。掲載した後も、価格が変われば修正する。画面の向こうでは、人が細かな作業を重ねています。

掲載する情報を充実させたい。変更にもきちんと対応したい。そのためには、人も時間も必要になる。営業がその作業を抱えれば、お客様に会ったり、提案を考えたりする時間が削られてしまいます。

かといって、作業が増えるたびに人を増やすのも簡単ではありませんよね。

増えていく手作業を、どこかで軽くする必要がある。
その選択肢の一つが、AIだと思っています。

私も実際に、AIを使った入稿の仕組みをつくって動かしています。ただ、導入すれば、その日からすぐ楽になるという話ではありませんでした。動くまでに何度もつまずきましたし、任せられる作業が増えるにつれて、人が担う仕事も見えてきました。

何が楽になり、どこに人の手が必要なのか。そして、空いた時間を何に使うのか。導入を考えるなら、そこまで見ておきたいのです。

不動産業に25年以上携わり、仲介会社を15年経営してきた和泉利明です。会社経営は通算20年になります。現在は、不動産会社の経営者を支援する立場で、経営や営業の実務を支援しています。

今回は、AIを使った入稿の実体験から、その便利さと、会社として考えておきたいことをお話しします。


目次
  1. 文言も写真も、入れてくれる。これは楽だった
  2. ここが直ると、今度は別のところ。もぐらたたきだった
  3. 入稿した後も、物件の情報は動く
  4. 現場を確かめ、説明し、売り方を考える
  5. AIを入れる前に、空く時間の使い道を決める
  6. 人に残る仕事のクオリティを、どう上げるか
  7. 和泉に相談

文言も写真も、入れてくれる。これは楽だった

私がAIを使っている仕事の一つが、SUUMO(ポータルサイト)への入稿です。

簡単な仕組みですが、所定の場所に写真を用意しておくと、入稿の際に取り込んでくれます。会社のロゴを入れる作業も、すぐに進みます。文言の入力も、人が一つずつ打っていたときに比べて、かなりスムーズになりました。

文章を生成するだけでなく、それを掲載するところまで進んでいく。実際に動いているのを見ると、ここまで任せられるのか、と感じますね。

人が毎回手を動かしていた作業を、準備した内容に沿って進めてくれる。

こちらは仕上がりをチェックしながら進められるので、同じところへ何度も入力する負担が減りました。

ただ、これは、私が仕事に合わせてプログラムや指示を調整してきた仕組みの話です。使う仕事に合わせて動くようにするまでには、別の苦労がありました。


ここが直ると、今度は別のところ。もぐらたたきだった

出来上がったものを使っていると、楽です。
でも、つくっている間は、そう簡単にはいきませんでした。

プログラムを組むのにも時間がかかりましたし、トライアンドエラーを繰り返しました。エラーが出るたびに直す。こちらの部分はうまくいくのに、別の部分がうまくいかない。そういうことが、結構あったのです。

正直、もぐらたたきのようでした。

使うときに楽なことと、楽に使える状態まで持っていくことは、別でした。

AIを業務に入れるときは、こうした調整の時間も見ておく必要があると思います。作業がすぐ終わる場面だけを見ると、その前に何を整えたのかは見えにくいからです。


入稿した後も、物件の情報は動く

もう一つ、手がかかったのが、継続して情報を確認する部分です。

文言や価格変更は、一度入稿したら終わり、というものではありません。状況が変われば、掲載している内容にも反映する必要があります。ここは、まめに見ていかなければいけないところです。

私は、毎日情報を確認するための流れも組み込みました。情報を巡回して見てもらうわけですが、毎日動く状態をつくるのも、結構大変だったと感じています。

一件を入稿できることと、その後の変化についていけること。
両方が必要でした。

確認するタイミングを決めておけば、こちらが全部を手作業で追いかける負担は減ります。ただ、何を確かめて、どの内容を変えるのかは、仕事に合わせて決めておく必要があります。

価格が変わったことを知るだけでよいのか。掲載内容への反映まで進めるのか。どこで人が確認するのか。同じ価格変更でも、任せる範囲によって準備することは変わります。

動かすタイミングまで含めて整えたことで、日々の確認や更新にも使えるようになりました。


現場を確かめ、説明し、売り方を考える

人の手が必要な仕事として、まず実感したのが写真です。実際、施工現場の脚立が写真に残っていたことがありました。内装がまだ仕上がっていないのに、完成した物件の写真のように載っていたこともあります。

入稿の作業が終わっていても、それでは困ります。

物件へ行き、状態を確かめ、必要な写真を撮る。工事中なら、その状態が伝わるようにする。掲載する材料を用意するところには、人の目と手が必要です。

作業が自動で進むことと、掲載する材料の質が上がることは、別なのです。

これは、物件の説明にもつながる話です。

例えば、図面や資料に書かれていることと、現況が合っているか。設備の状態はどうか。分からないことがあれば、売主や管理会社に確認する。AIに文章を作ってもらうにも、そのもとになる情報を確かめる仕事があります。

そのうえで、何を伝えるかを考える。ただ「収納が多い」と書くのか。どこに、どんな収納があり、暮らす人にとってどう使えるのかまで説明するのか。現場で気づいた良さを、具体的な情報として渡せれば、AIに作ってもらう文章の中身も変えられます。

物件の特徴をつかみ、お客様に伝わる説明にする。そこには、不動産の実務を知っている人の経験を使いたいのです。

価格変更も同じです。決まった価格を掲載画面に反映する作業は、仕組みに任せられる。一方で、価格を見直す必要があるか、売主に何を提案するかは、別に考える仕事です。

問い合わせや内覧の反応、比較されている物件、売主が希望する時期。そうした材料をそろえ、見せ方を変えるのか、価格の相談をするのかを考える。AIにも整理を手伝ってもらいながら、売主と話し、方針を決めていくところは、担当者が引き受ける必要があります。

お客様とのやり取りにも、時間を使いたいと思います。内覧で何が気になったのか。提案した物件のどこで迷っているのか。その声を聞いて、追加で調べたり、次の提案を考えたりする。

入力する作業が減った分、物件とお客様について、もう一歩確かめる。こうした仕事に時間を使えるようにしたいのです。


AIを入れる前に、空く時間の使い道を決める

ここで、会社として先に考えておきたいのが、業務の棚卸しです。

誰が、どんな仕事に、どのくらい時間を使っているのか。
AIに任せられそうな作業はどこか。
その作業が減ったら、誰の時間が空くのか。
まず、今の仕事を並べてみる必要があります。

そして、空いた時間で何をするかまで決めておく。

AIを入れて手が空いた。その時間で、何を良くするのか。
そこまでが、会社として考える仕事だと思います。

例えば、入力に追われていた担当者には、確認できていない物件情報を調べる時間をつくる。営業には、お客様の相談を聞き、提案を準備する時間をつくる。販売の反応を見直す時間が足りていないなら、そこに使う。今の会社で手が回っていない仕事から、使い道を考えるのがよいと思います。

こうした仕事を、誰に、どこまで担ってもらうか。導入前から話しておきたいのです。手が空いてから、何かやっておいて、と言われても、社員は何に力を使えばよいか分かりませんよね。

入力が早くなった。それで暇になりました。そこで話が終わってしまうのは、もったいないと思います。

減らす作業と、これから力を入れる仕事を、セットで考える。

業務の棚卸しをするのは、そのためです。何を自動化できるかを探すと同時に、人にもっと時間を使ってほしい仕事も見つけておく必要があります。


人に残る仕事のクオリティを、どう上げるか

時間の使い道を決めたら、次は、その仕事をどう良くするかです。

写真を撮った枚数。お客様に連絡した回数。物件情報を確認した件数。どれも活動の記録にはなります。ただ、それだけでは、仕事のクオリティが上がったかまでは分かりません。

例えば、物件を確認したなら、資料だけでは分からなかったことを何かつかめたか。その情報が、説明文や提案にどう生かされたか。お客様に連絡したなら、気がかりが何か分かったか。次に確認することや、用意するものが具体的になったか。

何をしたかに加えて、その仕事で何が分かり、何が進んだかを見る。

会社として、そこまで話せるようにしておきたいのです。

ただ、もっとクオリティを上げて、と伝えるだけでは難しい。説明文なら、物件の良さが伝わる箇所と、根拠が曖昧な箇所を一緒に見る。販売の提案なら、その案を出す理由と、売主の希望がどう結びついているかを確かめる。足りない材料があれば、次に何を調べるかまで具体的にします。

クオリティを上げてほしいと求めるなら、何を良いとするのかも、会社の中で共有する必要があります。

空いた時間を使って仕事を進め、その中身を見て、また改善する。
人が担う仕事にも、この積み重ねが必要だと思います。

AIで何分短くなったか。
それに加えて、その時間で何ができるようになったかまで見たい。

入稿の手間が減った分、物件をよく知り、お客様と話し、提案を磨く時間をつくる。私は、そこまで含めてAIを仕事に入れていきたいのです。


和泉に相談

AIで入稿を効率化したい。試してみたけれど、修正やエラー対応が多い。あるいは、作業は減ったものの、その後の仕事の分担が決まっていない。

そんなときは、現在の業務を棚卸しするところから一緒に整理します。どこをAIに任せ、空いた時間で誰が何を担うか。物件情報の確認から、お客様への提案まで、人が担う仕事のクオリティをどう高めるかも含めて、経営者向けの個別支援を通じてお手伝いします。

経営者向け個別支援|経営の判断から実行までのご相談

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